山中校長コラム


[2020/02/01] 人との出会いを大切にして、豊かな人生を

令和2年度の入試が終了し、この4月より多くの新入生が入学してくることになりました。新入生は、皆さんもそうであったように、期待と不安を抱いて、入学してきます。皆さんも、クラス替え等で、新しく出会う人に対しても、期待と不安があると思います。

今回は、皆さんに人との出会いが、人生を豊かにしてくれることを考えていただきたいと思います。瀬戸内寂聴氏の「奇縁まんだら」日本経済新聞出版社の前文に次のようなことが書かれていました。

 

生きるということは、日々新しい縁を結ぶことだと思う。数々ある縁の中でも人と人の縁ほど、奇なるものはないのではないか。思いもかけない人と人が出逢い、心惹かれたり、うとましく思ったりする。一つの縁から次の縁に結びつき、縁の輪が広がっていく。

結んだつもりの縁も、ふとしたことから切れることもある。けれども切れたと思ったのは、人の浅墓な考えで、一度結んだ縁は決して切れることはない。そこが人生の恐ろしさでもあり、有難さでもある。

(中略)

長い生涯であった。その間に何が愉しかったかと思いおこせば、それは人との出逢いとおびただしい縁であった。この世で同じ世代を生き、縁あってめぐりあい、言葉を交わしあった人々の俤(おもかげ)が、夜空の星のように、過ぎて来た過去の空にきらめいている。

(後略)

 

私もこの文章に書かれていることを実感し、その通りと思います。
人は、一人では生きていくことが出来ません。多くの人に支えられています。支えの始まりは、人との出逢いに始まります。

人と接することは、自分が成長する絶好の機会だと思います。

多くの人と縁を結ぶことで、改めなければならないことを自覚したり、今まで気付かなかったことを知ることで、新しい自分を発見出来ると思います。また、それ以上にコミュニケーション力が深まり、スムーズな人間関係(絆)が出来ると思います。

また、人と接することで、考える機会を多く持つことも出来ます。

「次に何をすれば良いのか」「自分に求められていることは何か」など、指示された以上の行動が出来ると思います。皆さんにこれから必要な力は、自らの意志で行動する自立心を持つことだと思います。人との関わりは、その力を身につける絶好の機会です。

 

年度のまとめの時期になりました。皆さんの活動が、「自ら求め」「自ら考え」「自ら判断し」「自ら行動する」ものとなり、自らの夢や目標が実現することを期待します。

 

- - <今月の推薦図書>- -

今月、推薦する本は、本文中に引用した、瀬戸内寂聴氏の「奇縁まんだら」日本経済新聞出版社 です。

多くの著名人との出会いが書かれていて、その著名人が、私が想像していたイメージと違ったりしていて、なかなか面白く感じました。皆さんもそう思える箇所が何カ所もあると思います。一読を勧めます。


[2020/01/07] 令和2年1月  新たな気持ちで頑張りましょう

新年明けましておめでとうございます。
令和2年の新年として、気持ちを新たにする活動をすると同時に、学校年度では、令和元年度のまとめをする大切な3ヶ月の始まりになります。この大切な時期を充実させるために、毎年同じことが言われていますが、今年度の今までの9ヶ月の「振り返り」と「新年の目標」を明確にすることが大切と言えます。

 

今年は元号が変わっての初めての年となります。その初めての年の干支が子年となり、干支の始まりは、子年です。偶然とは言え、何か不思議な気持ちがします。

本来の「干支」は、十干と十二支を組み合わせたものです。干支(えと)の「干」は「十干」のことで、以下の10種類です。
日本語の読みは、甲:きのえ、乙:きのと、丙:ひのえ、丁:ひのと、戊:つちのえ、己:つちのと、庚:かのえ、辛:かのと、壬:みずのえ、癸:みずのと となります。干支(えと)の「支」は「十二支」のことで、以下の12種類です。子:ね、丑:うし、寅:とら、卯:う、辰:たつ、巳:み、午:うま、未:ひつじ、申:さる、酉:とり、戌:いぬ、亥:い となっているのは、皆さんが、ご存じの通りです。
十干と十二支を組み合わせると、十干の最初の「甲」と十二支の最初の「子」の組み合わせ「甲子(きのえね)」から始まり、「乙丑」「丙寅」「辛卯」・・・と続き、「癸亥(みずのとい)」まで60種類あります。干支がひとまわりして同じ干支が巡ってくると「還暦」です。60歳になると「還暦」を迎えたというのはこの意味からです。

 

最初の「甲子」は、高校野球で使われる「甲子園」でなじみがあると思います。この球場は、1924(大正13)年の甲子の年に完成したので、この名前になったと思われます。今年の干支は、37番目の「庚子」です。本校の創立者である松﨑庚子良先生は、

1900(明治33)年の「庚子」の年にお生まれになり、お名前に「干支」が付けられたと思われます。その意味で、新元号が始まる今年の干支(えと)は、学園にとって、何か意義深いものを感じます。

 

さて、新年の目標を設定して、その実現を確実にするために、振り返りが必要です。そのために、「目標を書く」→「目標の再確認」→「振り返り」をすることが有効だと思います。その振り返りで、「目標」がより具体的になり、「自分への問いかけ」が具体的に出来るようになると思います。そこから、新しいことが生まれたり、発展があると思います。

「目標を書く」→「目標の再確認」→「振り返り」の作業を具体的にするには、

1,目的を明確にする

2,具体的で可能な数値を設定する

3,大きな(長い)期限と小さな(短い)期限の両方を設定する

4,振り返り・修正を小さな(短い)単位(時間)で実行する

5,最初に目指していた気持ちを忘れないために、すぐに取り組む

今年も成長を果たすために自分に限界を設けず、お互いに頑張りましょう。

 

- - <今月の推薦図書>- -

今月、推薦する本は、橋本 治氏の「桃尻語 枕草子 上・中・下」河出書房新社 です。

原文から逸脱することなく、現代風に翻訳され、その上、〔註〕がすごく充実していています。日本史受験の人にはお勧めで、必読だと思います。平安時代(清少納言)の価値観を理解するのに最適な本です。


[2019/12/01] 「一年の振り返りを」

令和元年もあと一月足らずで終了する時期になってしまいました。皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。今年一年で達成出来たことを実感し、どんなことが具体的に積み重ねること出来たかを確認することは、皆さんの成長に大切なことと思います。その振り返りは、学習成果、部活動の取り組み、行事などへの取り組みなど様々なことから自己点検をしてください。

 

生徒の皆さん(私もですが)が生きる世界(社会)は、今後かつてないほど激しい変化に見舞われると思います。どんな力を身に付けることが求められているかというと「自ら取り組む力」「自ら発展させる力」「多様な他者と協働できる力」だと考えます。そのために、どんな資質を獲得しなければならないかというと、一つは、「主体的・自主的に取り組める力」。もう一つは、「協働出来る力」を身に付けることだと考えております。

一つ目の「主体的・自主的な能力」を身に付けるとは、気付きを最初の一歩にして、自分なりの問いを立てて、自分なりのやり方で、自らの答え(納得解)にたどり着く粘り強く探求する力を獲得することが必要です。つまり、やらなければならないことを自ら取り組むだけでは獲得できず、大切なことは、過去の経験に頼らず、課題を発見・創造し、新しいアイディアや仕組みまでに発展で出来る力を持つことだと思います。

二つ目の「協働する力」を身に付けるとは、一人ひとりが互いに認め合うことを原則として、他者を思いやり、多様性を尊重し、持続可能な社会を創り上げる意欲と意志を持つことだと考えております。

 

当然のことですが、「主体的・自主的に取り組める力」と「協働出来る力」を獲得するためには、一日一日の学習はもちろんですが、部活動、行事などの全ての学校活動に全力で取り組むことが大切です。今年度も残り少なくなりましたが、成長を確かなものにするためにも、一日一日を大切にする生活をしましょう。良きまとめをして、新たな気持ちで新年を迎えましょう。

 

- - <今月の推薦図書>- -

今月、推薦する本は、原田 マハ氏の「美しき愚かものたちのタブロー」文藝春秋社の単行本です。

作者の原田 マハ氏によると、国立西洋美術館設立60周年の餞(はなむけ)の一冊にしたかったということです。
ものがたりは、明治期に首相を務めた松方正義を父に持つ松方幸次郎が、ひょんなことから芸術と出合い、「松方コレクション」という一大コレクションを築くまでの話になっています。「松方コレクション」返還に向けた厳しい交渉を描くハードボイルドな一面もありながら、アートという一本の芯が通った本でもあります。読み応えのある本ですが、冬休みにじっくり読んでいただけたらと思います。


[2019/11/01] 素晴らしかった ラグビーワールドカップ(W杯)

多くの人がラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会を観戦したと思います。私もその一人で、ドキドキしたり、ワクワクしたりして、日本チームの試合を観戦しました。

ラグビーW杯は五輪、サッカーW杯に次ぐ世界的なスポーツイベントで、今大会が9回目で、アジアでは初開催となり、3連覇を狙うニュージーランドなど20チームが参加しました。日本チームは、皆さんがご存知のように初めての決勝トーナメントの出場となり、準々決勝での南アフリカ戦に敗れたとはいえ、心に残る好試合だったと思います。

 

確かに日本チームの大活躍に大いに感動もし、勇気づけられましたが、今後私たちが考えなければならないことや、どうグローバル化を進めていくべきかなどの多くの示唆も与えて貰ったのでないかとも考えます。

その一つは、日本チームの「多様性」です。
ラグビーの代表資格は他競技とは異なり、国籍は関係なく、その国・地域で
(1)選手本人が生まれた
(2)両親、祖父母の1人が生まれた
(3)3年継続して居住
(4)通算10年居住
のいずれかを満たせば資格を得られるそうです。日本代表31人のうち、ニュージーランド、トンガ、南アフリカ、サモア、韓国、オーストラリア、そして日本の7カ国の多様な背景を持つ選手が「ワン・チーム」のスローガンの下、一致団結して戦い、あのような素晴らしい結果が生まれたと思います。出身国や言語が違った者同士が、同じ目的で集まり尊重し合いチームを形づくった日本チームに今後日本が目指す、グローバル時代の協調と結束の姿がそこに感じることが出来たと思います。

もう一つは、「ワン・チーム」という日本チームの合言葉です。
「One for all ,all for one
(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」
ラグビーの神髄を伝える言葉だそうです。

 

一人ひとりが自分の役割を果たし、全員で勝利という一つの目的に向かうことが込められている合言葉と思います。一人ひとりが自分の役割を果たすといことは、相手の考え(価値観)や特性を認め、自立した強い個が主体性を発揮し、納得するまで話し合うことと考えます。それによって、連携が生まれ、チームが同じ目標を共有し、大きな力を発揮した思います。

国際競技連盟「ワールドラグビー」が定めたラグビー憲章は、ラグビーの中心となる精神を「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」の五つの言葉に込めたそうです。この基本原則は、全ての選手と関係者に課せられる、チームプレー、フェアプレー、試合後に互いをたたえ合うノーサイドの精神が、それを表しています。

 学ぶことが多かったラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会を一過性の大会と考えず、私も含めて、今後の学びに生かしていければと強く思います。

 

- - <今月の推薦図書>- -

今月、推薦する本は、門井慶喜氏の「銀河鉄道の父」(講談社)です。

 

門井慶喜氏が書く本は、歴史小説が多いですが、この本は、当然、宮沢賢治について書かれたもので、ちょっと趣の違う本になっています。宮沢賢治の新しい面を発見でき、宮沢賢治が書いた本を読みたくなると思います。読書の秋を堪能できる本と思います。


[2019/10/07] 豊かな表現力を身につけよう

後期の授業活動が始まりました。まとめでもある、後期に、どんなことに取り組んで欲しいか書きたいと思います。

後期の目標・目的は、各学年での自立・自律を実現させ、自分を向上させ、達成感を積み重ねて成長することです。

「自ら求め、自ら考え、自ら判断し、自ら行動する」自立・自律した逞しい人間として成長し、その実践活動を通じて、「主体的に学ぶ力」「協働力」を獲得して欲しいと思います。また、心豊かで、思いやりの心を備えた人間として成長することも期待したいと思います。 …more»


[2019/09/02] 「自立して学ぶ力」について

夏休みが終わり、まとめを意識しなければならない時期になりました。
9月からは、今まで積み上げてきたものを振り返り、そして、これから何をしなければならないか、あるいは、どんな成長を果たさなければならないかを考える大切な時期とも言えます。 …more»


[2019/08/01] 夏休みにチャレンジしよう ~ 社会の動向に関心を持とう ~

夏休みが始まります。夏こそ今までなかなか取り組むことができないことに、チャレンジする絶好の機会だと思います。ぜひ、普段出来ないことを実践してください。

その一つに、新聞を精読し、気に入った記事をファイルすることをして欲しいと思います。そこから新しい知識・課題などを得て、「なるほど」と思ったり、「こんなことを実践してみよう」と行動を拡げ、充実した時間を味わってください。 …more»


[2019/07/01] 「生きること」や「働くこと」をじっくり考えよう

前期中間試験も終わり、夏休みに入る前のこの時期に、普段なかなか考えることができない、「生きること」「働くこと」をじっくり考えてみて欲しいと思います。

 

人間(自分)が生涯を通してさまざまな役割を果たしていく過程で、自分が担う役割を考え、特に、「働くこと」を通して人々や社会にどう関わり、「自分らしい生き方」をするために、どんな学びをしなければならないかを考えて欲しいということです。 …more»


[2019/06/05] 読書のすすめ

中高一貫部も高校部も暑い中での体育祭、本当に大変でしたが、その中で、皆さんがひたむきに全力で取り組み、協働して創り上げたのは、大変立派でした。

 

6月は、前期中間試験など多くの行事があり、忙しい月となりますが、そんな中でも皆さんに、多くの本に触れていただきたいと思い次のコラムを書きました。 …more»


[2019/04/26] 人生どの段階でも学び

来週から風薫る5月になります。慌ただしかった4月もあと数日で終わり、新年度が本格的に始まる時期になりました。

 

日本経済新聞の連載コラム「一歩踏み出すあなたに」の平成31年4月10日付第6回にロンドン・ビジネススクール教授 リンダ・グラットン氏の「人生どの段階でも学び」という記事が書かれていました。 …more»





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