校長 その日その日

Principal Day by day

校長 その日その日

 

2024/03/02

(3/2)一度しかない人生を、命の限り

2日(土)、令和5年度卒業証書授与式を執り行いました。今年の卒業生は392名とややコンパクト。しかし証書を手渡す際、全ての生徒がまなざし鋭く、大学受験という難関を乗り超えた精神的な強さを漂わせていました。

 

校長式辞では、今年も次のことを伝えました。

 

――高校生活を本質的に充実させたのは、華々しい学校行事だろうか? 

いや、授業・部活動つまり友人・先生方とを通わせ、を競い、互いにを睦んだ、一見単調な時間こそが、大学受験という人生の関門にも動じない心を養ったのではないか。

 

古代中国の思想家・老子の言葉にある足るを知る者は富み、強(つと)めて行う者は志(こころざし)あり

 

“満足というものを知ることが、本当の心の豊かさだ。それでいてなお、油断せず努力を続けられたならば、もう目標は達成されたようなものだ” という意味だ。

 

単調な日常をおろそかにしなかった皆さんは今、本当の豊かな心、折れない心を手にしたのだ。例え結果が希望どおりの進路でなかったとしても、挑戦した時点で、皆さんは十分尊いのだ――

 

 

――式典後、最後のクラスHRも終えた生徒たちは、卒業アルバム片手に(コメント記入目的で)名残り惜しそうに各教員を訪ねて回っています。毎年恒例の光景ですが、、

今年は珍しく、校長室にも男女の集団がいくつか来ました。

 

「先生、最初から最後まで本当に迷惑かけてすみません」「僕は中1のとき、やらかしちゃいました!すみませんでした」「あいつ、まだ先生のとこに来てないんですか?呼んできます」「先生、無事卒業できました(笑)」――。

皆が皆、次から次へと懺悔するので一緒に大笑い。

 

でも不思議と、生徒を前にするとエピソードを思い出すものです。

私「S君は朝早く来て体育祭の旗を塗っていたね」「F君が学校動画に出てくれたから大宮開成が有名になったんだよ」「K君英語得意だったよね?〇大学かすごいな、頑張ってね」「Kさん、お姉さんお母さん元気?チア部よく頑張っていたね」、他にもまだまだ――。

 

N君からは「最後に聞いていいですか?なんで僕の名前、憶えてて呼んでくれてたんですか?」

――もちろん全員知っているわけではないのです。でも、

学校が好きな人にはオーラを感じるから、名前を憶えてしまうんだよ」。

 

 

式辞でも言った一度しかない人生を、命の限り、精いっぱい生きてほしい」

卒業する皆さんへ、私の最後のメッセージです。