校長 その日その日

Principal Day by day

校長 その日その日

 

2024/03/24

(3/24)80億分の35の奇跡、解散!

23日(土)は会場をハシゴして中学・高校の後期終業式

おかげさまで令和5年度の正規の学校活動を終えることができました。今回の講話は下記のとおりです。

 

<中学終業式>(要約)

――1年間、勉強も学校行事もよく頑張ってくれた。ところで来月、新入生5クラスが入学してくるが、ぜひ先輩としての見本をしっかり示してほしい。それにあたり今年1年見てきて思ったことについて皆さんに課題を出したい。

それは「心と行動・環境は一体だ」ということ。

 

一つは、教室の床の上や窓際にゴミ、持ち物をそのままにしないこと。

身の回りにゴミがあっても平気ということは、心の中にゴミがあることと同じだ。そんな心で、正しい学びができるだろうか?

 

二つは、物を丁寧に扱うということ。

例えば教科書、トイレ……物には魂がある。一生お世話になる物に対して、敬意を払わなくてはならない。後であなた自身に返ってくる。

 

三つは、今から大人の振る舞いを身に付けること。

いつまでも子供扱いされたい人はいませんね?ポケットに手を入れたまま挨拶するのは、大人として失礼です。また制服のネクタイやリボンを登校時に付けていない人がいるが、身なりとは自分そのものだ。「小さなこと」「これぐらい」という気持ちが、自分を弱くする。

 

大宮開成は、心の弱さ」に向き合う学校だ。

先日の中学説明会でも「この学校に入りたい」という受験生がいた。世間から憧れられる学校に通う皆さんは、「心と行動・環境は一体だ」ということを忘れずに。ぜひ新入生に尊敬される先輩になってほしい。――

 

<高校終業式>(要約)

――1年間を振り返り、私こそ皆さんにありがとうと言いたい。たくさんの希望や喜びをもらったからだ

山梨交流合宿のおかげで雄大な富士山を眺められた。シンプルに美しいと思った。校長室脇の写真には今もカレー作りやハイキングで皆さんが笑っている。

ニュージーランド・オーストラリア研修。高校部のⅡ類の人かな、ファミリーと別れを惜しんで泣きながら抱き合っている写真。心がしっかり通じ合えたのだろう、今も胸がじわっとなる。

 

だからこそ、この日常は当たり前ではないんだと今年はとくに感じる。能登半島地震、そして東日本大震災を思い出すからだ。

 

13年前のあの日、私は自治体職員として避難民を避難所に誘導していた。停電で不自由な中でも、人々は整然と毛布や非常食を受け取ってくれた。不安な一夜が明け、学生も社会人もみな一様に礼儀正しく「ありがとうございます」と言って出ていった。

極限に置かれたとき、人間はその素性が現れる。人って美しいんだな、と思ったことを覚えている

 

あのとき、数時間前まで “当たり前” だった日常が、一瞬にして、当たり前ではなくなった。できればもう起きてほしくないが、生きていれば遭遇してしまうだろう。

 

200日をともに過ごしたクラスは、今日で解散。今となり前後にいるクラスメート、お世話になった先生たち。当たり前ではない80億分の35の出会い、奇跡の縁

 

あらためて皆さん、1年を本当にありがとう。最後に、クラスの仲間・お世話になった先生との出会いに感謝を込めて、みんなで拍手!(一同拍手)終わり。――