校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2025/02/08
「今年またレベル上がりましたね!」「○組、練習のときと段違い」「ピアノ上手い子多かったな」「個人的には○組の伴奏いいと思ったんだけどな…」etc.
――午前の1年生大会が終わった後、楽屋で交わされた審査員たちの会話です。
7日(金)大宮レイボックホールでの合唱祭は、3年目とあってますますレベルが上がったというのは私も全く同感です。
↓ 午前、1年生大会。合唱副委員長・Sさんが開会あいさつ
↓ 本物の「舞台」とは、思いもしない力を彼らに授けるものらしい
予想どおり1年生10クラス・2年生15クラスの演奏は、どれも甲乙つけがたいものばかり。
全演奏後、外部審査員の市川 恵先生(東京藝術大学)の講評は…。
―「どのクラスもホールによく響く声、言葉もよく伝わってきた。男女がユニゾンになったときの声の厚みが素晴らしかった」(1年生に対して)
―「数値で審査するのが困難なぐらい、1年生以上に演奏が立体的で、個人の良さもクラスの個性もよく表現されていて本当に感動した」(2年生に対して)
私も、あえて生徒たちを直視せず"耳"で集中し「技術面」を重視して審査したつもりです。
見知っている生徒の顔・クラス人数の多寡を目にしてバイアスがかかるのを恐れたからです。
それでも、あるクラスが休憩時間に、廊下の隅で声合わせをしていたりすると「頑張れ!」と祈らずにはいられませんでした。
――午後、2年生大会も演奏・審査終了、時計は17時半…。
↓ 2年の合唱副委員長・Iさんが締めくくる
――表彰。
例年と違い、全クラスに金・銀・銅賞いずれかを授与、金賞からはさらに最優秀賞を選出するスタイルに。最優秀指揮者賞・伴奏者賞も出るのは従来どおりです。
私から壇上で演奏クラス順に賞状を渡すのですが、どのクラスが何賞なのかは、私も読み上げるまで知りません。
例えば「○組、銀賞」と言い渡すや、悔しい…という顔、銅かと思っていたので嬉しい!という顔、さまざまな反応でした。
そして金賞、金賞からの最優秀賞…言い渡すや否や、観客席にいたクラス生徒からは大歓声。壇上の代表者が涙ながらに賞状を受け取っていました。
↓ 記念撮影(2年生、最優秀賞クラス)
―一方で、最優秀賞がほしかったな…というつぶやきもあったといい、そのクラスの担任は「俺の中では最優秀賞」と胸を張って返したそうです。
最優秀賞は、全クラス・全員の胸の中に輝いている、と言ったら格好つけすぎでしょうか。
「審査なんかしたくなかった、一緒に歌いたかったぐらい」(審査員・音楽科K教諭の講評)
全員が音楽選択でもない。理系文系による人数比・男女比ばらつき。放課後だけの練習時間。
偶然の条件のなかでよくもこれだけ完成度の高いハーモニーを紡いでくれた。どこまでやってくれるんだろう本校生たちは…との余韻と感慨は、一日たった今もまだ消えません。
疲労困憊した審査も、こんな苦しみならやはりまた来年も味わいたい…と矛盾した気持ちがまた沸き上がるのでした。
"きっとまた会おう あの街で会おう
僕らの約束は 消えはしない 群青の絆きずな…"
(『群青』南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生・小田美樹/信長貴富)
1・2年生800名余りの全生徒を心から称え、君たちの絆に感動し、素敵な時間をくれたことに心から感謝します。
ご来場の保護者の皆様にも心から感謝申し上げます。
↓ 1年生/2年生パンフレット。表紙はFさん(2年)デザイン