校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2025/03/01
本日、年間の最大式典・卒業式が無事挙行できました。ご参列の皆様、ご協力本当にありがとうございました。春そのものの陽気でよかったですね。
式典後の午後、生徒たちが「校長先生、コメント書いてください」とアルバムを携え、入れ代わり立ち代わり来室してくれて、最後の最後まで嬉しかったです。
16時で全員下校していきました。「先生、3年間(6年間)ありがとうございました、さよなら」と言い残して。
今、少々燃え尽き気味です…(笑)。
<卒業式 校長式辞>(要旨。写真は実際当時のもの)
―578名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんは、コロナ禍収束の兆しが見えた2022年に入学され、中学生活の喪失を取り戻すかのように、行事や部活動で輝いていた姿が思い起こされます。
―高校部1年の山梨交流合宿。富士の麓で友人と語り合い、ずぶ濡れのオリエンテーリングもよい思い出でしょう。
中高一貫部はGVSで、アジア・アフリカの留学生と交流し、彼らの向学心や祖国への貢献意識に刺激を受けましたね。
―体育祭では下級生を束ね、開成祭ではダンス甲子園や"オケオケ"※など、若さ溢れるエネルギーで来場者を沸かせてくれました。高校部合唱祭も、初めて外部ホールで心を一つにした素晴らしい歌声に、私も胸が熱くなりました。
※有志の歌合戦。omiyakaiseiカラオケ=OKオケ
―何といっても高2秋の海外研修では、ニュージーランド・オーストラリアの大自然、語学研修やファミリーとの出会いが、中高生活最大の思い出となったことでしょう。
―さて、最高学府に歩を進めようとしている皆さんは、ぜひ専門的な、深い学びに出会ってください。深い学びは一生、皆さんを輝かせるからです。
私自身も考古学を専攻し、発掘調査で土器や石器を手にする中で、いかに教科書が一面的かを知り、何よりも5千年・1万年の眠りから資料を目覚めさせたことへの興奮以上に、歴史への責任を感じました。
―大学教授や研究室の仲間、論文との出会いは、論理性・検証性といった、学問の科学的姿勢を教えてくれました。当時の学びは、今の私を形作り、心の支えとなっています。
一方で、学問以前に人間のありかたが大切です。
論語に、「人にして不仁ならば、礼を如何せん」とあります※。「人としてだめであるならば、その人が学問だの、文化だの、と言っても始まらない」という意味です。
※『論語』八佾はちいつ第三
校訓・愛 知 和は、そのためにあります。
隣人・弱者に思いを致す「愛」、正しい知識・知性で困難に立ち向かう「知」、そして80億の他者を受け容れる「愛」の精神を、人間として忘れないでください。
―保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。彼らは、これから親という存在を超えるべく、遥かな旅に出ようとしています。どうか彼らを、温かく背中からお見守りください。
―最後に。今日まで必死に励んできた優秀な皆さんを、毎朝校門で笑顔をみせてくれた心優しい皆さんを、私は忘れません。
どうか一度しかない人生を、命の限り精いっぱい生きてください。
それではお元気で。さようなら。
令和7年3月1日 大宮開成高等学校 校長 松﨑 慶喜
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