校長 その日その日

Principal Day by day

校長 その日その日

 

2024/11/09

(11/9)大学祭に足を運ぶ

先日7日(木)、立冬につじつまを合わせるかのように、木枯らし1号が吹きました。

本校も校門ロータリー付近に落葉が舞い散るも、早朝から用務員さんが丁寧に掃き集めてくださるので、生徒登校のころにはきれいになっています。

 

さる連休4日(月)はまだ半袖の陽気、私は私用で都圏の某私大の大学祭に足を運んでみました。大学祭、何(十)年ぶりでしょうか…。

 

丘陵の上にある、そんなに広くはないキャンパス。門をくぐるや、学生はもちろん、受験生連れ・家族連れで賑わい、あちこちから「〇〇いかがですかー」の呼び声が聞こえてきます。

 

模擬店が中心なのは想像できましたが、研究ゼミ単位で「フェアトレードコーヒー」「〇〇産の肉を使った豚汁」「〇〇農園・牧場と提携したフルーツジェラート、アイス」「〇〇島(離島)の物産販売」など、大学ならでは・理系キャンパスならではの産学連携・社会連携を十分に感じます。

 

(自分の頃の大学祭は…こんな"地に足の着いた"ものではなかったな、若者だけでただ盛り上がっていただけだったな…などと鼻の奥が痛む)

 

ちょうど昼時。私は学生さんに勧められたグァテマラ産のフェアトレードコーヒーで一服。

その場でドリップされたコーヒーは、味わったことのない酸味とコク。豆を収穫する労働力に感謝しながらすすりました。

隣のゼミでは「実習農場で育てた焼き芋」、香ばしさに誘われ迷わず1本。

たまたま存じ上げているゼミの先生もお見掛けし(同じお芋を召し上がっていた様子)、ご挨拶がてら立ち話すると、何と先生は私の大学の2~3年先輩にあたるとのことでした。

 

教室でもゼミ室・サークル活動の展示が。やや素気ない?ところもありましたが、ロボットを操縦できるサークルの展示は子どもで賑わい、狩猟サークル(その名も「狩り部」!)ではジビエ調理を手掛けている、などと学生さんが熱心に説明していたのが印象的です。

 

――今日の大学は「祝日でも授業実施」「1・2年生時、中学高校のホームルームクラス的なゼミへの所属」など、学生のケアに大変気を使っているのをご存じでしょうか。

 

バブル期世代からすると「大学が何もそこまで…」という部分もなくはないですが、少子化にともなう孤立化・社会の目?(「高い学費を払っている」という声)の前では必然の流れなのでしょうか。事実、救われている学生も多数いるのでしょう。

何より「きちんと学ぶ」大学生を輩出することは、海外の大学生と比較すれば当然過ぎることかもしれません。

 

ただ、学ぶ意欲の発現は、本来は大学が仕向けるのではなく、学生自身が発揮すべきなのは言うまでもありません。

かつて本校卒業生に「大学の授業、ヒマ過ぎて大宮開成が懐かしいです」と言われたことがあり苦笑しました。

私は入試説明会で、

成功する社会人 ←大学時代に「学んで」いた人 ←高校時代に「学んで」いた人

という因果関係の研究の話をするときがあります。

 

「成功」とは何ぞや…はさておき、

大宮開成生は「学んで」いた人側に入る(と信じたい)ので、(大学のネームバリューも結構ですが、)今回訪れたような充実した研究・多彩な活動ができる大学を目指し、さらに「学べる人」になってほしいな…などと考えながら、日の傾いた坂道を下りキャンパスをあとにしました。