校長 その日その日

Principal Day by day

校長 その日その日

 

2023/12/21

(12/21)未来ある生徒たちのための日―終了集会など

21日(木)「終了集会」にて、中学・高校とも年内の学校活動が一区切りとなりました。今日は午前中のみの日課ながら、校長室に戻ったのは昼前! 忙しくも清々しく、充実した日でした。

 

<中学終了集会の講話>(要旨)

――今年、また新たな戦争が始まってしまった。皆と同じような子供たちがこの瞬間も命を落としている。

争いは、人が「自分中心」にしか物事を考えないこと・話し合いを諦めてしまうことが原因だ。世界が狭くなった現代、資源の独占や特定の権利を主張したらうまくいくはずがない。

だから皆さんは学校で教育を受けるのだ。

今年を振り返って、自分だけの利害を考えて人と接しなかったか? 周りの人を思いやれるようになるのが中学生だ。2024年の皆さんに期待する――。

 

<高校終了集会の講話>(要旨)

――高3の皆さんへ。大学入試に臨むにあたり「基本どおり、そして丁寧に」を忘れないで。

『徒然草』にある「高名の木登り」。木登りの名人が弟子に木を登らせ、高いところでは黙って眺めていたが、飛び降りられそうなところまで降りてくると「失敗するな。気を付けて降りろよ」と注意した。なぜそう言うのか、吉田兼好が名人に訊ねると、

「あやまちは、安き所になりて、必ずつかまつることに候ふ」(失敗は、安心だと思う所になって必ずいたすものでございます」)と答えたそうだ。

試験のときは自信のある問題こそ「この答えは絶対合っている」などと過信しないように――。

 

毎回中学・高校の集会を“はしご”し、違う講話を用意するのは実際大変なのですが、発達段階の異なる生徒2000名を前に、“中高同じ講話”でお茶を濁したくないのです(大した講話ではないものの)。まだまだ勉強不足です。

 

<性教育講演>(中1・高1対象)

終了集会後、高橋幸子先生(埼玉医科大学産婦人科助教)をお招きし、中1・高1の2回転!でご講演いただきました。校長は高1に参加。親しみやすい語り口、かつボリュームあるお話に1時間はあっという間でした。

 

――性といっても「体の性・こころの性・表現する性・好きになる性」いろいろある。

/「交際」にも段階があるが、どの段階でも必ず相手の意思、「お互いのイエス」を大事にすること。/「自分だけ経験が遅れている?」などと誤った情報に惑わされない、自分のペースの交際を大事にすること。

/いわゆるアダルト映像は “18歳以上の分別がつく人々”向けで「男性の妄想の産物」。真似することはパートナーの信頼を失う。/妊娠する覚悟はあるか?逆に言えば、覚悟がない限り、必ず避妊するべきだ。

/“万が一”のときは独りで悩まない。ワンストップダイヤルもある。/生理痛への正しい対応、男子も配慮できるように。/避妊のことをちゃんと話し合えるのが、本当のパートナーである――。

 

講演後、先生に「性や妊娠といった大切な話はどうしても女性側の対応面から語られがちだが、男子にも “男性側の責任、主体性” の意識をより強くもってほしいと思っている」と私個人の考えをお伝えしました。貴重なご講演、本当にありがとうございました。

↓ 髙橋先生(中央)、養護のN教諭と。ガイドブックは先生ご監修「#つながるBOOK」。生徒たちにとって的確で心強い資料ではないかと

 

<3ヶ月ターム留学参加者 留学許可証の交付>

校長室に戻り、7名の参加者(1名欠席)に、先ごろの中間テストの成績が基準を満たしていたことをもって最終的に留学を許可しました。

 

渡航まで1カ月余り。一人ずつ抱負や決意を訊きました。

↓ Kさん(後中央)・Sさん(後右)「英語が得意だからもっと伸ばしたい、現地の人と触れ合いたい」、Kさん(前左1)・Sさん(前右2)「海外に住んでいた経験もあり、将来海外で仕事するか海外の人といっしょに仕事がしたい」、Yさん(前右1)「留学をきっかけに自立したい」、Hさん(前左2)「英語は得意ではないけど、自分のコミュニケーション力を試したい」etc.…

1月末に豪州・NZに旅立つ彼らへ、「留学経験は一生の宝物になる。第1期生として後輩のためにもぜひ頑張って!」、「送り出してくれるご家族に感謝しよう」と伝えました。

 

今日一日(半日)は、まさに「未来ある生徒たちのための日」でした。

ご家庭の皆様、おかげさまで年末を迎えることができました。今年一年のご理解ご協力に、心から感謝申し上げます。

そして奔走してくれる本校の教員陣にも、あらためて感謝したいと思います。