校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2023/02/21
昨日20日(月)から、中学新入生の保護者面談が始まっています。ご来校本当にありがとうございます。
過日の2/11には、中学新入生・保護者様対象のオリエンテーションを行っています。
その席上で私は、校訓「愛 知 和」に関連して、表題の「深く掘るには幅がいる」という言葉を紹介しました。
――(概略)――
「愛 知 和」の「知」には、”豊かな知識・知性による的確な判断”を込めている。
大宮開成では6年間、教科書やテストだけでない「役に立たない・立つかどうかわからない」勉強もたくさんしてもらう。
「入試に何が出る?」「何を勉強すればテストでいい点が取れる?」それもいいのだが……勉強を「役に立つ・立たない」と考えた時点で、あなたの人生はつまらないものになるだろう。
「深く掘るには幅がいる」という言葉がある。
皆さんが小さいとき、砂場で穴を掘ったことがあるでしょう。深く掘るためには、穴の入り口を広げないと砂を掻き出せなかったのではないか。
つまり、人間として・大人として豊かになるためには「一見、役に立たない勉強をたくさんする」ことが大切だ。
例えばさいたま市出身の宇宙飛行士・若田光一さんも、子供のころは模型飛行機づくりに熱中していたなど、社会で活躍している人物は、子どものころ「役に立たない」勉強をたくさんしているものだ。
以前のぞいた中3「科学実験」の授業では、生徒が金魚すくいのポイでスーパーボールを、山ほど、何度も掬っていたが、どうも”ある成分”を塗っていたらしい。こんなのはテストには出ないが、生徒はさぞ興味関心を深めたに違いない。
また本校の ”プレゼンテーション教育” こそ、まさに教科書のワクを超えた探究だ。
社会で不可欠なプレゼンスキルを得るだけでなく、社会課題への問題意識とか解決に向けた社会貢献意識まで芽生える。 ※卒業生曰く「大宮開成の人はプレゼンが上手いので羨ましいと言われる」そうです
「役に立たない」勉強をたくさんする6年間=授業・部活動・学校行事を通じて、ぜひ「幅のある」大人になろう。―――(以下略)
「深く掘るには…」は、土光 敏夫(どこう としお、1896~1988)の言葉です。
土光氏は石川島播磨重工業や東芝の社長、経団連の会長を務め、 ’80年代の中曽根内閣時に「第2次臨時行政調査会」会長として、旧国鉄など3公社の改革の立役者となったことで有名です。
質素な私生活のかたわら、公人としては有言実行・率先垂範を貫き、会社の再建と発展に貢献したといわれます。
昨今「コスパ」「タイパ」などという言葉がありますが、生徒たちが多忙さに絡め取られて「ムダなことはしたくない」などという思考に陥ってほしくない。
そんな大人が担う社会はさぞ窮屈で、何も新しいものは生まれないでしょう。
そのためにも、今の私たち大人(教師・親)の姿勢が問われていると感じます。
↓ 保護者面談会場前のウメがついに咲きました