校長 その日その日

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2024/02/22

(2/22)保護者面談に思う、英語力

だいぶ間が空いてしまい失礼しました。

今週19日(月)~今日22日(木)、和6年度中学新入生の保護者対象の面談を行っています。

後ろのウメが満開ですね。

今後のクラス運営に役立てるために毎年行っているこの面談。

本校ご入学の理由、お子様のこと、ご家庭の教育観、学習・生活上の疑問やご不安をお訊きし、本校からは6年間の生活上の留意点などをお伝えしています。

私も数組ですが、面談を担当させていただきました。

どの保護者様も本校への期待を述べてくださり嬉しく思いました。とくにお子様への学習面の督励を期待しているご家庭が多かったと感じます。

 

↓ ある時間帯のようす(遠巻きに撮りました)

 

題名で「英語で面談するのか?!」と思われたかもしれませんが、もちろん違います(笑)。

別に今回の面談で顕著だったわけではありませんが、学校説明会などで保護者の方からたまに出るのが「英語学習は入学前までにかなりやっておくべきか?」という質問です。

 

答えはもちろん「いいえ」。

私「本校は中1ゼロスタート前提。英語科教員も言っていますが、英語ができる!という子は意外に油断して伸びず、逆にゼロスタートの生徒は7月か9月ぐらいにはほぼ同レベルに追いつきますよ」。

 

今朝の新聞※1の記事、また実業家の出口治明さん※2も言っていますが、

英語(外国語)を母語レベルにしたいならともかく、ほとんどの日本人は母語を日本語とし、日本語で思考するわけですから、まずは日本語(国語)できちんと論理的に思考できる力を養うほうが、中学段階では大切だと私も感じます。

 

翻訳家・鳥飼玖美子さんも著作で、

むしろ発音が多少拙くても、論理的に話せる・書ける・伝えられる能力のほうが大事だ、そういう人が例外なく海外で通用している、という読者からの意見を紹介しています。※3

(ちなみに “英語をシャワーのように聞いて覚える” という宣伝は、シャワーのように流れ落ちておしまい、とも鳥飼さんは言います)

 

さいたま市出身の宇宙飛行士・若田光一さんは、当初NASAのパイロット訓練で、猛烈に飛び交う同僚や管制官の宇宙飛行関連の専門用語(もちろん英語)が聞き取れず、とても悔しかったそうです。

それでとった方法が、シャドーイング。

NASAの同僚が、若田さんがいつも後ろの席でブツブツ言っているので「何を言っているのか」と訊いたら「パイロットと管制官のやり取りを復唱して録音しているんだ」と。

「こいつ(若田さん)はスゴイ、世界トップの能力がありながらまだ努力している」とその同僚は感心したそうです。

 

私も語学は趣味として続けており、もちろん生徒には遠く及びませんが、トラベラーズ程度の英語力を維持できているのは、本校の英語科教員・英会話講師や理事長(=海外経験が豊富)からの刺激、そして海外研修引率のおかげ(=必要に迫られている)です。

 

ご家庭には、第2言語の学習を「いつ始めるか」で不安になる(=教育業界の商業主義・悪影響よりも、「どのような力が備わっている人間に語学力が備わるか」のほうにフォーカスしていただくとよいのではないでしょうか。

 

そこで、論理力なら本校のプレゼンテーション教育が大いに寄与します、とはこれも商業主義になってしまうでしょうか…。

 

※1 2/22付朝日新聞・朝刊13版23面「幼少からの英語熱『異常な状態』」 

※2 出口治明『人生を面白くする本物の教養』幻冬舎新書

※3 鳥飼玖美子『本物の英語力』講談社現代新書