今週の大宮開成

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2024/10/07

高校部2学年が海外研修を終えました!

先進・Ⅰ類はニュージーランド、Ⅱ類はオーストラリアで行われた8泊9日の高校部2年海外研修、すべての行程が終了しました。

両コースともに大きなトラブルはなく、概ね天候にも恵まれ、充実した研修旅行となりました。
充実した研修となった裏にはたくさんの人々の支えがありました。
なによりもまず、生徒諸君に感謝をのべたいと思います。
9日間、我々の指示に的確に応え、行動してくれてありがとう。いや、むしろ指示を出さずとも、自分達で行動する姿に我々は本当に助けられました。
そして、現地でサポートをしてくれたガイドさん、現地学校の先生、旅行会社の方、また、我々教員団を信用し生徒を預けていただいた保護者の方へ改めて多大なる感謝を申し上げます。皆様のお力添えがなければ、この海外研修の成功は存在しえないものでした。
ありがとうございました。

さて、海外研修におけるテーマは「越境」です。
物理的越境を通して、愛知和ラーニングで行われている分野の壁を超えるような概念的越境を経験し、自己を自由に解放(奔放)させることが目的の一つとなっています。
つまり、日ごろ自身を囲んでいる日本の、大宮開成の環境から、半ば強制的に異なる海外の環境に身を置くことで、自らが「異邦人(現地の人からみた時の外国人)」となること。「異邦人」となることで、これまで狭い枠の中に囚われていた自分を解放する契機を得ること。様々な異文化、異質な人間に出会って自らを省みることでこの体験が新たな領域に羽ばたくきっかけとなることが、この海外研修の役割だと我々は信じています。
評論家である柳田邦夫の言葉を借りれば「異邦の地という特異な環境が、人生を危うくしかねない毒を含みつつも、前頭葉の言語野や感覚野を劇的に活性化する特効薬の効能」を発揮するのではないかと我々教員団は考えているのです。

生徒たちはこの海外研修で何か大きなものを得たと感じているでしょうか。
恐らく、すぐにはわからないと思います。
しかし、この研修による越境体験が、将来の自身を形作る欠片の一つとなっていれば、我々教員団としてはこれ以上にありがたいことはありません。

最後に、

花発多風雨 人生足別離

唐の時代の于武陵という詩人が詠んだ『勧酒』という漢詩の一節です。
『山椒魚』等で有名な井伏鱒二の訳に従えば「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ。」と詠まれています。
出会いもあれば別れもある。
初めての海外研修、ホームステイ、最初は憂鬱な人もいたでしょう。
しかし、別れた時の自身の感情を思い返せば、この出会いがかけがえのないものであったことに気づくはずです。
「伝えたいことは伝わっただろうか、ホストファミリーへ恩は返せただろうか。」
長い人生を考えれば刹那的でありますが、蔑ろにできない大切な時間を生徒達は歩んでおりました。
この井伏の訳を受けて、かの有名な劇作家の寺山修司は「幸福が遠すぎたら」という詩を詠みます。

さよならだけが人生ならば、また来る春はなんだろう(中略)さよならだけが人生ならば、人生なんかいりません

生徒達が研修で養った英語力を用いることで、新たな、そして大切な人物と出会い、更なる越境体験を重ねていくことを教員団は願います。
もちろん、ホストファミリーとも「さよなら」で終わることなく、再会を目指して。
その時は英語で、異邦の地でこの海外研修の思い出話に花を咲かせてください。

 


『今週の大宮開成』高校部2年 先進•I類コース 海外研修(ニュージーランド)レポートは、こちらからご覧いただけます。
>> 先進•I類コース 海外研修レポート〈1・2日目〉
>> 先進•I類コース 海外研修レポート〈3〜5日目〉
>> 先進•I類コース 海外研修レポート〈6・7日目〉
>> 先進•I類コース 海外研修レポート〈8・9日目〉

 

『校長その日その日』高校部2年 Ⅱ類コース海外研修(オーストラリア) の記事は、こちらからご覧いただけます。
(9/22)南半球へ、異文化交流――海外研修➊
(9/24)"youngest、でも優秀"――海外研修➋
(9/25)疲れもみせず授業へ――海外研修➌
(9/25)疲れもみせず授業へ・その2――海外研修❹
(9/26)倫理的な生産活動とは…――海外研修❺
(9/28)ファミリーとの別れ/世界遺産の山海へ―海外研修❻
(9/28)シドニー市内研修――海外研修➐